カラオケ店 稼働率別戦略


カラオケボックスは部屋数に限りがあるため、総顧客数だけでなく稼働率も考慮しなければならない。


稼働率別戦略

稼働率とは
カラオケルームがどのくらい稼働しているかの割合のこと。

稼働率(%)= 稼働している部屋数 ÷ すべての部屋数 ×100

で示される。

稼働率が高い店舗の戦略

さらに利益を上げるための戦略となる。
コストを削減し、広告宣伝費は抑え利益を優先する。

  1. 客単価の改善 
    ルーム料金の値上げや飲食販売、追加サービス料など
  2. 回転率の改善
    オペレーションの見直しやフリータイムの部屋数制限や満室時の時間制限など
  3. コスト削減
    ドリンクバーの見直し、飲食物の原価や人件費の見直しなど
  4. 部屋数を増やす
    改装や増築、2号店を出店するなど




稼働率が低い店舗の戦略

稼働していない部屋の売上は0となるので、顧客数を増やす必要がある。
つまり、新規顧客を獲得しなければならない。
新規顧客の獲得のために広告宣伝費などの経費が掛かるため、稼働率が上がるまでは利益の確保は難しい。

  1. 新規顧客の獲得
    新規顧客の重要性と獲得方法は下の記事から
    売上を上げる ≒ 新規顧客の獲得(サイト内リンク)
  2. 思い切った低価格
    低価格路線でも稼働率が上がれば売上は改善される
  3. サービスの向上
    回転率を意識しないサービスの提供
    ドリンクバーの充実など、経費を掛ける
  4. 稼働率が高くなった場合の準備をしておく
    稼働率が上がっても対応できなければ売上は上がらない
    スタッフの確保に備品の確認と稼働率が上がることを想定した準備をしておく




時間、曜日、天候による稼働率が下がる場合の対処例

平日の昼や雨の日に稼働率が低くなる場合、ポイント〇倍やランチサービス、雨の日割引などの需要管理によって、稼働率を安定させる。








店舗稼働率ごとの戦略

複数のカラオケ店を経営している企業は、各店舗の稼働率別に分類し戦略を組み立てていく。

稼働率の高い店舗の経営資源を利用し、稼働率の低い店舗の稼働率を上げ、企業全体で稼働率を上げていく。
※ 経営資源は、ヒト、モノ、カネに注目されがちだが、稼働率の高い店舗の情報(ノウハウ)も重要な経営資源となる。




資源を投入しても、稼働率の改善が見込めない店舗は撤退を検討する。





稼働率が減少している場合

つまり、売上が下がっている店舗の場合は、チラシを打つ、ドリンクバーの種類を増やす、ポイント〇倍などコストを追加して稼働率を上げる。

売上が下がっている店舗で、挑戦的な数値目標を立て『コスト削減』を目指す店舗をよく目撃する。
これでは、売上回復は見込めない。
閉店が不可避な流れになっている店舗ではコスト削減は当然ではあるが、売上の回復が見込めるのであれば、コスト削減ではなくコストを追加し対策することが望ましい。




コストについて

ここでのコストとは、
ヒト、モノ、カネ、情報(ノウハウ)といった経営資源のこと。

売上が下がってきても、人員(スタッフ)やモノは確保しておこう。
売上が回復、または上がる過程で必要となる。

ただし、売上が上がらなければこれらのコストは無駄となる。

無駄なコストとなるか、売上を上げるために必要なコストとなるかは企業努力(店舗努力)次第である。