発注方式の典型とされている定量発注方式と定期発注方式の説明になる。
定量発注方式
在庫が一定量まで減った時に発注する方式
最初に在庫が〇〇個まで減れば△△個発注すると決めれば、あとは在庫量だけを把握していればいい。
とても簡単だが、注意すべきポイントは
簡単なので忘れやすい
ということ。
在庫量の確認だけで単純であるが、気を緩めやすい。
定期発注方式
(週・月など)決められた期間ごとに発注する方式
発注のたびに発注量がかわる。
次の発注までの需要を予想しなければならない。
在庫量を抑えた発注をするには、複雑で時間を要する発注方式となる。
直感的発注から論理的発注へ
在庫量が一定量になれば、一定量発注する ‘ 定量発注方式 ’ はわかりやすく、発注を他の人(スタッフ)に任せることもできる。
ただし、この方式は発注を忘れやすい。
在庫はチェックしておこう。
‘ 定期発注方式 ’ は、需要予測が必要となる。
発注間隔が一定で忘れにくいが、 過剰在庫を防ぐため過去のデータを参考にするなどの経験と知識が不可欠になる。
在庫を多く持っている商品は
リードタイムが長い
ロットが大きい
などの理由がなければ、在庫量を調整しなければならない。
在庫切れでも
発注ミスだけでなく
偏差の大きい商品では、在庫切れがやむを得ない場合もある。
在庫切れをなくそうと意識しすぎると過剰在庫になりかねない。
【偏差】については後項の発注用語で説明する。
発注用語
リードタイム
ここでは、調達リードタイムのこと
発注から納品されるまでの期間となる
使用例として、
「リードタイムは1日なので、在庫は少なめに」
「リードタイムが長いので、早めに(多めに)発注しよう」
ロット
発注単位のこと
・ 一回の発注で1万円以上
・ 一回の発注で合計で2c/s以上
・ この商品は3個から注文可能
といった発注の価格や数量の制限のこと。
使用例として、
「ケース単位での発注は、ロットが大きすぎるので小ロットまたはハーフロットで納品可能か取引業者に問い合わせた。」
偏差(へんさ)
ある商品の一か月の消費量は同じでも週によって ‘かたより’ が大きいものがある。この ‘かたより’ を偏差(へんさ)という。
偏差の大きい商品は、在庫を増やさなければならないが、在庫切れも仕方がないと割り切らなければ過剰な在庫を抱えてしまう原因となる。
安全在庫
次の納品まで、欠品とならないような最低限の在庫数のこと。
主に、 ‘ 定期発注方式 ’ での発注量の参考になる。
偏差が大きいと安全在庫も増える。
過剰在庫を防ぐためにも安全在庫は、8.9割の確率で欠品しないという設定で決めることが望ましい。
機会損失
発注での機会損失とは
在庫があれば、得られた売上(利益)のこと
過剰な在庫はよくないが、欠品すると機会損失が発生する。
経験と知識を上手に使えば、いつもの発注業務もきっと楽しくなる